扶養控除申告書でチェックすることになる内容です。
ここの項目を知らないことで損をしている人も多くいます。
きちんと内容を確認して受けられる控除を受けて節税に役立ててください。
1.一般の寡婦と特別の寡婦の条件とは?
寡婦控除はその条件により、一般の寡婦と特別の寡婦にわかれます。
条件が分かりづらいので、フローチャート図で確認してください。
寡婦の場合、夫と死別(生死不明も含む)したか離婚したかにより一部条件が変わります。
〇夫と死別(もしくは生死不明)し再婚していない状態で、次のいずれかに該当する女性は『一般の寡婦』に該当します。
・親などの扶養親族がいる
・同一生計の子がいる(総所得金額が38万円以下の子)
・合計所得金額が500万円以下(給与収入のみなら、688万8,889円以下)
夫と死別(生死不明も含む)した場合は、扶養親族がいなくても合計所得が500万円以下で『一般の寡婦』に該当します。
〇離婚し再婚していない状態で、次のいずれかに該当する女性は『一般の寡婦』に該当します。
・親などの扶養親族がいる
・同一生計の子がいる(総所得金額が38万円以下の子)
一般の寡婦の場合、27万円の控除を受けることができます。
次に『特別の寡婦』ですが、
夫と死別・離婚後に再婚をしていない女性で、
・扶養親族の子がいる
・本人の合計所得金額が500万円以下(給与収入のみなら、688万8,889円以下)
の両方に該当するする人は『特別の寡婦』になります。
一般の寡婦の時にあった条件と違い、子どもがいることが条件で、親だけを扶養していた場合はあてはまらないので注意してください。
特別の寡婦の場合、35万円の控除を受けることができます。
2.寡夫の条件とは?
次に寡夫について見ていきましょう。
寡夫控除を受けるための条件は、
・妻と離婚・死別後に再婚していないこと
・同一生計で総所得金額が38万円以下の子どもがいること
・本人の所得が500万円以下(給与収入のみなら、688万8,889円以下)
のすべてにあてはまることが必要です。
これらがあてはまる場合、寡夫控除として27万円の控除を受けることができます。
しかしながら、寡婦控除の際にあった、
・親を扶養しているが、子どもがいない場合
・子どもを扶養していなくても本人の所得が500万円以下の場合(死別の場合)
・特別の寡婦といった上乗せ内容
このような条件が寡夫控除にはありません。
この点には注意してください。
3.勤労学生の条件とは?
3-1.勤労学生控除
働いている学生(アルバイトも含む)が一年間で一定額以下の給与所得があった時に受けることができる税額控除です。
ここでの学生の定義は
- 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
- 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
- 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの
以上のどれかにあてはまる学校に通う学生になります。
ほとんどの場合あてはまりますが、不安な場合は学校で直接確認してください。
3-2.勤労学生控除の対象となる範囲・控除金額
勤労所得控除を受けるための条件は、
①給与所得などの勤労による所得があること
②合計所得金額は65万円以下で、かつ①の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
③特定の学校の学生、生徒であること
このすべての条件にあてはまった場合、勤労学生控除として27万円の控除を受けることができます。
3-3.勤労学生控除を受ける際の注意点について
勤労学生控除は、勤労学生本人給与所得者の場合、『扶養控除等(異動)申告書』を提出するか、確定申告を行うことになります。
この控除を受けることで、通常給与収入が103万円を超えると所得税がかかることになりますが、130万円まではかからなくなります。
勤労学生自身が納める税金は確かに少なくなるかもしれません。
しかしながら、親の扶養親族として勤労学生自身が入っていた場合、給与収入が103万円を超えると親の扶養から外れてしまいます。
つまり、勤労学生の税金は少なくなるかもしれませんが、親の扶養者控除から外れるので、親自身が支払う税金が増えることになります。
そうして、家族単位では逆に損をしてしまうかもしれません。
その為、しっかり家族で話し合って使用するようにしてください。
企業で年末調整を行う担当者は、あまり目にする機会は少ないかもしれません。
ただ、学生のアルバイトを雇っている企業などは申告をされてくる従業員もいるかもしれませんので注意してください。
4.まとめ
『扶養控除等(異動)申告書』の中では中断左に小さく表記されているので、該当者は見落とさずしっかりチェックしてください。
寡婦と特別の寡婦については両者の区別がついていない方もたくさんいらっしゃいます。
もし、自分自身でわからなくて不安な場合、会社の担当者に確認してみてください。
寡婦・寡夫・勤労学生について見てきましたがどうでしょうか?
少し条件がわかりにくいものもあったかと思います。
ですが寡婦・寡夫の場合、この控除を受けることで大きく納税額が変わってきますので、しっかり確認して節税に役立ててくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。